備忘録的に今年の入試について、独断と偏見でコメントしておきます。

先日、教頭の話をうかがう機会があったので、その情報も入れつつ書いておきます。

今年の志願者は、西大和の午後入試がはじまった2012年に次ぐ965人で、4科受験生は3科・4科選択入試を始めてから初の600越えの616人。3科受験生数は、極端な乱高下をするのに対して、4科は堅実に増加しているとのこと。

学校側の設定入試平均点が理科60点に対し、社会70点とのことで、全科目100点の均等配点を加味して、4科受験生有利になるとの意識が働いてのことでしょう。

まあ、平均点は受験生が実際に受けてみないとわからないものですので、算数の強い灘併願組である3科受験生が有利だったという年もあり一概には言えませんが、大方4科有利に働くかなと見て取れます。

そして、感心したのが直近5年の追加合格者数です。

2014年5人、2015年9人、2016年0人、2017年5人ときて、今年0人。先日話をうかがった清風南海の渉外部長も触れていましたが、追加合格0人は他の最難関中学でもあまり見受けられないことです。今年は鹿児島の小学校からの入学者がいるなど、遠隔地からの入学者が9人いた中での合格者数の読みです。

今年の国語ですが、平均点が48.5点と昨年度より10.9点のマイナスとなり、かなり難化しています。この点は、教頭もやや気にされているようで、来年度は易化の方向かと考えられます。

漢字は例年通り、形式はオーソドックスなものながらも、東大寺らしいメッセージの込められた難度がかなり高いものとなっています。いわゆる漢字ドリルや塾のテキストにはあまり出てこないものがよく出題されます。

大問一の漢字で一番正答率が低かったのが、⑪出色「しゅっしょく」という読みだったそうです。

「試験の結果は出色のできばえだった。」との文で、「でき」と読んでしまう誤答が多かったようです。「できのできばえ」って・・・小学生らしい・・・。

話はそれますが、この東大寺の漢字対策は、各塾様々でおもしろいです。

オリジナルの予想問題としてがっつりさせている塾もあれば(なかなかのクオリティです。)、「これって過去問ちゃうの」という予想問題まであり、塾によってとらえ方が千差万別で第三者として楽しんで勉強させていただいています。

選択肢問題では解答を出すのにかなり苦労するものもあり、難化したのは納得です。実際、大問三の記号選択問題の正答率が、20~38%と近年の約80%に比べかなり低下しているそうです。

おもしろいのは、正式な学校解答を発表しないので、塾によって模範解答が違います・・・もうすぐ販売される出版社の過去問集でも解答が分かれるものがあるのでは・・・

今年、数えるとトータル290字の記述問題が合否を分けたようです。

ただ、今年は最後の物語文の(七)の心情説明の記述問題で白紙が多かったそうで、ここが今年の入試の反省点だとおっしゃっていました。

来年度、受験される方はもちろん記述問題をしっかりと書ききる練習はしないといけません。それでいて、満点でなくてもしっかりと部分点を取りに行く。ここの方針は変わらないかなと感じています。