前回に引き続き、今年度入試の素材文について感じたことを自由に書いていきます。

 今回は、甲陽学院中学です。前回の流れから予想できるかもしれませんが、確認します。

 1日目大問一は、清水眞砂子「ヒトを人にしていくものは」です。

 これは、2018年5月刊行された「あいまいさを引きうけて」に掲載されています。

あいまいさを引きうけて (日常を散策する 3)

 1日目大問二は、高田由紀子「君だけのシネマ」です。

 これは、2018年7月刊行です。

君だけのシネマ (わたしたちの本棚)

 夏休み直前期に刊行されたものを入試問題素材文として採用しています。

 入試問題作成者は、夏休み期間にじっくりと問題作成に取り組んでいるのでしょうか?そして、夏休み明けの9月に国語科で検討会の流れですね。

 その後、検討会を重ね、11月頃にチェックも済み、校了という感じでしょうか。(勝手な想像です。すみません。)

 2日目大問一は、斎藤陽道「異なり記念日」です。

 これも2018年7月刊行です。 この時私自身、楽しくなってきました。

異なり記念日 (シリーズ ケアをひらく)

 2日目大問二は、額賀澪「風に恋う」です。

 素晴らしい偶然です。これも、2018年7月刊行です。

風に恋う

 結論は予想できたかもしれませんが、見事にすべての素材文が2018年刊行の本です。それも7月が3問もあります。

 東大寺中学もそうでしたが、甲陽学院中学国語科の入試に対する姿勢が素材文から感じられます。内容ではなく、素材文の刊行時期しか掘り下げていませんが、各校の「矜持」のようなものを私は勝手に感じます。

 次回から、着地点に向かってがんばってみます。