前回に引き続き、3年前のアメブロにのせていたものを再掲載します。
国語の過去問の取り組み方について、書いておきます。
まず、実施時間について。
過去問を取り組むとき、それぞれ学校が設定する制限時間があります。
例えば、関西の最難関中学をあげると、
灘中なら1日目40分・2日目70分。甲陽中なら2日間とも55分。東大寺中なら50分。星光中・西大和中・洛南中なら60分。
といった具合に多岐にわたりますが、大体、国語の場合50分や60分の学校が多いようです。
この制限時間をどのように扱うかです。
当たり前ですが、50分の入試問題を練習といって60分ですることはまずありません。
反対に、60分の入試問題を50分でするように、時間を短縮して実施する場合があります。授業時間との関係で、講師によれば実際に実施している方もいると思います。科目によっては時間短縮するメリットもありますが、私自身はおすすめしません。
そもそも過去問をなぜ取り組むのかを考えてみてください。
当たり前ですが、国語の場合、漢字や一部の語句を除いて、まったく同じ文章(問題)は出題されません。つまり、過去に出題された問題と類似のものが出たからできたというのはあまりありません。(だからこそ、過去問をするのは無駄だと暴論をおっしゃる方もいるのだと思います。)
あくまでも、その学校が出題する「くせ」を学ぶためです。
甲陽中のような、シンプルな問いにどのように答えればいいのか、などその学校の「くせ」に慣れるためです。
だからこそ、志望校別特訓の担当者がその学校の過去問から「くせ」を研究し、その問題にどう対応したらいいかを教え、教材を作成するのです。
ただ、その教材はあくまで担当者のフィルターを通したものであって、「本物」ではありません。だからこそ、「本物」の過去問をする意義があるのです。
その「くせ」の中に制限時間も含まれると私は考えます。正確な制限時間でその中学の入試問題を体感すべきです。
洛南中は60分であっても基本的に時間に追われます。どのように問題を取捨選択して、点数を積み重ねていくかの練習が必要です。
一方、灘中2日目の70分は長いです。今まで、私の教え子で時間が足りなかったというのはいません。むしろ、時間が余ります。
授業内ですると50分程度で終了させ、クラスの中でぼうっとしている生徒がいたりします。当たり前ですが、その生徒の解答用紙は120点満点中120点の答案ではありません。むしろ、ミスが多かったりします。これが、本番だとしたらその生徒は違う中学に進学するでしょう。
そのときに口酸っぱく生徒に話していたのは、早く終わっても必ずミスがないか制限時間ぎりぎりまで見直しをしなさいということでした。そうはいっても、まだまだ取り組みの甘い生徒も中にはいます。
私には幸運なことに教え子の中に灘中の国語でトップの点数を取った子がいます。もしくは、それに近い点数を取った子もいます。(ちなみにご存知だと思いますが、灘中は、合否にかかわらず全員に各科目の得点結果まで教えてくれるとても親切な学校です。)
その子たちの問題の取り組み方をみていると、必ず制限時間ぎりぎりまで見直しをしていました。
そんな話を過去問をした授業の終わりに、説教がてら子供たちに話します。
するとどうでしょう。次週からその気になって見直しをします。(*^-^*)
続きは、次回に