来週から、いよいよ岡山中・海陽中といった、いわゆる前受け校入試が関西圏ではじまります。
その入試が始まる前に、書こうと思いつつも、ついつい日々の業務にかまけて書き忘れたお薦めの本を備忘録的に書いておきます。
2020、21年度入試で出題されそうと私が勝手に考える素材文です。
「十四歳日和」
著者 水野 瑠見
今年2019年8月に刊行された第59回 講談社 児童文学新人賞 受賞作です。
(昨夏にお薦めした「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」著者 こまつあやこ と同じ、児童文学新人賞の副賞として刊行されたものです。
「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」 は、2019年度入試に 栄光学園中学 海城中学 成城中学 同志社女子中学 白陵中学 早稲田実業学校中等部 などで出題されています。)
「十四歳日和」は、同じ中学に通う14歳の少年少女たち4人の日常を描く、短編集です。題名は「14歳の水平線」(椰月 美智子 )、形式は「クラスメイツ」(森 絵都)になんだか似ているなあというのが、第一印象でしたが、心情表現が秀逸でなかなか面白かったです。
中学入試の素材文として読みやすく、おそらくどこかの中学で出題されるかと。一度読んでみてください。
実際、12月の四谷大塚の合不合判定テストで、この中の「ボーダレスガール」が出題されていました。今年8月に刊行されたものをしっかりと入試前の模試に反映しています。 プロ意識が感じられ、素晴らしい 。模試作成者の鑑です。
説明文のお薦めは、
「日本人にとって自然とはなにか」
著者 宇根 豊
今年2019年7月に刊行された本です。
同じ著者の「農は過去と未来をつなぐ」(岩波ジュニア新書)は、中学入試の素材文としてかなりの学校で採用されました。
これも素材文として、2020、2021年度入試に採用されるのではと勝手に思っています。時間があるときに読んでみてください。
最後に、
「夏の騎士」
著者 百田 尚樹
今年2019年7月に刊行です。
私は、もともと百田さんの本が好きで、何冊か読んでいます。特に、「海賊とよばれた男」「永遠の0」は、お気に入りです。(もちろん、探偵ナイトスクープもお気に入りです。この本の中にちらっと出てきます。)
今年の夏に購入して、読んだ時の率直な感想が、登場人物のキャラクター設定もわかりやすく、ひょっとしたら中学入試に出題されるかも、でした。ただ、著者はその言動で物議を醸す方ですし、内容的に小学生の恋愛が描写されているシーンもあるので、学校の先生は敬遠するかなと勘繰るところがありました。
本格的な入試シーズン前ですが、秋にはプレテストを実施している学校があります。その中で、東山中学がプレテストで「夏の騎士」を素材文として出題しているのを見つけ、思わず「おおぅ」と。
指導する際には、もちろんその出題形式などに合わせて解き方・書き方を中心に教えます。ただ、素材文に関しては、やや趣味的な要素が入るので、自分で勝手に盛り上がって、こういったブログに書いておきます。