小学校では今までの学年そのままですが、塾では新学年となってもうすぐ1か月が過ぎようとしています。

 塾では受験生である6年生、学校ではまだまだ5年生と、生徒にとっては2か月ほど意識の乖離状態が続きます。

 過去を振り返ってみて、新学年になりたての2か月は苦労したかと思います。受講科目数が増えたり、授業日数が増えたりと負担が大きくなり、生徒は青息吐息をついていたかもしれません。

 それでも生徒は歯を食いしばって、それらの困難を乗り越え、今に至ったと思われます。中学受験に関係のない第三者から見たら、ここまででも十分頑張ったといえる状態です。

 受験学年となる新6年生となると、塾によっては今までにないほど負担が大きくなる場合があります。

 今まで週に何日か休みがあり、その休みで宿題をなんとか回していた。それが2月から休みがなくなり、宿題をする時間の捻出に四苦八苦。その状態で祝日になると塾のイベントに強制参加し、上滑りな勉強のまま平常の授業に参加。

 次に手を出すのは睡眠時間の削減という禁断の果実。今まで11時ごろには寝て、睡眠時間を十分に確保していた生徒が、深夜1時、2時と遅い時間まで宿題をこなそうとします。宿題をする時間がないので、平日でなんとか処理しないといけないことからやってしまう苦肉の策です。

 結果どうなるか。睡眠時間が減っているので、今まで元気にしていた活動時間に眠くなります。小学校の授業中に寝る。ひどい場合だと、夕方以降の塾の授業時間に寝てしまう・・・

 当然、集中力・理解力は以前より格段に落ち、結果もそのまま反映され始めます。今までの「貯金」は吐き出され、取り返しのつかない状態になるかもしれません。

 もちろん、これらは当然すべての生徒にあてはまるお話ではありません。

 ですが、大手塾時代に私が見聞きした、一部の生徒の話です。

 じゃあ、この状況をどないしたらええんや?

 あんたの意見を言うてみ、と質問がくるかもしれません。

 私なら、まずいらないものを切ります。捨てます。

 必要以上にとっている授業を減らしてください。それだけで、その授業時間分にメインの授業の宿題ができます。減らした授業の宿題もする必要がありません。

 何が必要で必要でないかは、その生徒それぞれで違うかと思います。複数の信用のできる方に相談してから、ご家族で最終決定されればいいと思います。

 宿題自体も担当の先生と相談して、減らしてもらうことも今は有効です。今は必要最低限の宿題をきちんとこなすことが大事です。リセットされる春休み明けから宿題量を元に戻せるようにすればいいと思います。

 最難関中学を目指す新6年生なら、イベントが盛り沢山だと思います。それらをすべて受ける必要があるか精査してください。信用できる先輩保護者、先生などに相談して、そのイベントの中身や狙いを確認し、最後には本人を含むご家庭で判断すべきです。きらきらとしたネーミングのイベント講座に心惹かれるのは否めないですが、それが本人にとって本当に必要かどうか考える必要があります。

 そして、計画表の作成を勧めます。作成済みの場合でも宿題時間に追われているようなら、作成した計画表の見直しをすべきです。

 宿題・復習のできる時間を文字にして見えるようにしてください。

 それは紙でのアナログ式な方法でもいいですし、グーグルなどのデジタル式でもいいです。

 塾・小学校での授業時間・移動時間以外の空き時間を見えるようにすることが大事です。その見えた空き時間をどれだけ有効に使うかが今後のポイントとなります。

 そして、本人にとって必要な睡眠時間の確保。(これは保護者が一番把握されていることです。)これも計画表に欠かせない表記事項です。睡眠時間を削らずに、空き時間を捻出してください。ここが計画表を作成する最大の狙いです。

 今でしたら、まず3月の予定作成です。月間で予定表を作成する方が合理的です。祝日の今日を使うか、今週末土曜日までに作成するようにすればいいかと。

 新6年生にとって、統一入試日まで1年を切っています。時間は無情にも過ぎていきます。

 ですが、まだまだ長丁場の戦いでもあります。10,11歳の子供の健康も考える必要があります。

 机上の空論、理想論を唱えるつもりはさらさらないですが、現実に目をそらさず、早い目の対処が結果的に良かったと思えます。

 当教室にお通いの生徒の保護者は、私に色々と相談してくれています。その時には、私の数少ない経験からベストだと思うアドバイスをさせていただいています。

 身近に相談できる先生・先輩保護者を持ってください。それらのアドバイスから、自分たちにとっていいと思う決断をすればいいです。(鵜呑みにする必要はありません。相談した人のアドバイスと違う決断をしたのなら、今後のことを考えて黙っていればいいと思います。)

全国の中学・高校生が使用している手帳だそうですが、なかなかよさそうです。最初小学生には自分1人でなかなか使えないかもしれません。先のことを見据えて、保護者が手を貸しながらこういったものも利用するのも一つの手だとは思います。