前回、灘中入試1日目の外来語に関する問題について、出題内容を20年分羅列してみました。ここまでは、ただ調べて書くだけなので手間がかかるだけです。

 さて、ここから分析です。

 私自身は、二つのアプローチで分析します。

 ① 出題形式によるアプローチ  どのような問われ方をしているかで分析します。

 ② 出題内容によるアプローチ  どのような外来語が出題されているかで分析します。

 まず、① 出題形式によるアプローチです。

 「ア」~「カ」などの記号で答える記号選択問題と、たとえば「インプレッション」と書いて答える記述問題に大きく分けることができます。

 記号選択問題の中でも、外来語の意味を選ぶ問題と外来語そのものを選ぶ問題とに分かれます。難易度的には、外来語そのものを選ぶ問題の方がやや難しいと考えます。たとえば、「プロセス」が問いで「ア 過程」という選択肢を選ぶより、「過程」が問いで「ア プロセス」という選択肢を選ぶ方が難易度が高いと考えます。

 もちろん、平成31年度の問題のように、5つの問いに対して5つの選択肢しかない問題の方が解きやすいです。5つの問いに対して、10つの選択肢があると難易度は高くなると言えます。

 さらに記号選択問題より記述問題の方が、当然難易度は高いです。「過程」が問いで「プロセス」と書かせるのは、受験生には難しいかと。

 灘の外来語の問題で一番難しいのはまさにこの問いで、近年よく出題されます。

 ですので、灘中など最難関中学を目指す受験生は、外来語の意味から外来語そのものを答えられるような準備をしておく必要があります。

 さらっと書きましたが、小学生にとってはかなり大変なことです。英語の素養があれば、ある程度できるかもしれません。近年、英語教育が盛んになってきたとはいえ、受験生全員がそのような素養があるとは考えにくいです。

 やはりそれ相応の対策は必要となります。

 ちなみに、令和2年度は、記述問題でした。

 次に ② 出題内容によるアプローチ ですが、長くなったので次回に。