前回に引き続き、西大和中学入試問題 大問🈪を掘り下げて書いていきます。
(ⅰ)の「なぞかけ」問題は、「受験生と保護者のための入試説明会」のチラシ表紙に採用されているほど、学校側も話題性十分な問題だったとの認識のようです。
実際に、今年の受験生と話をしていると、この問題についてみんな口をそろえて話してくれました。
おそらく、試験会場でどの受験生も面食らった問題だったのでしょう。
「なぞかけ」の定義を会話文の中で、「お題としてつながりのなさそうな二つの言葉をあげて、その二つの言葉に共通する内容を答える言葉遊び」と説明しています。受験生は一見とまどうところですが、ここは同じ音の言葉に対して複数の漢字・意味を持つ、同音異義語・同訓異字語・多義語を問うている問題だと気付いてほしいところです。
問一は、例として「しき(四季・指揮)」をあげ、受験生にその問い内容を理解させます。わかりやすい例だったので、ここで、受験生は同音異義語を思いつくことができたはずです。
あとは、「秋」と「薬」に関する「こうよう」の同音異義語をそれぞれどう書けばいいか考えるだけです。学校発表の正答率は85%と高めです。
次の問二は、やや難度が上がります。
「おでん」と「本」に共通して、「~と困る」のは何かという問いです。一部の受験生はこの時点でお手上げです。
「何を聞かれているのかわからない」
先ほどの問一で同音異義語が聞かれていました。同じ読みで異なる漢字を聞かれていることをつかんでさえいれば、「おでん」と「本」に関する困ることで、同じ読みで意味が異なる言葉を考えます。「あつい」という中学入試頻出の同訓異字語が連想できればしめたものです。「熱い」と「厚い」で、「あつすぎる」となります。
次は、「甘い方がよい」ものとして、「いちご」以外に何があるかです。ここは、多義語の問題と考えます。
「甘い」の意味は、①砂糖・あめなどの味がするさま。
②塩気が少ない。
③受け入れて楽しく気持ちよい。
④不足があっても認めて、厳しくいわないので、接して楽である。
⑤ことを処理するのに考えや力が不十分である。
⑥ゆるく、しまりがない。
などと広辞苑には書かれてあります。そこから、①「いちご」と異なる意味の「甘い方がよい」ものを考えます。学校解答では、④「入試の採点」とあります。⑤「人生に対する考え方」や⑥「ドアのネジ」は「甘い方がよくない」ので、不正解かと。
問二の正答率は70%と、私が思った以上に高い数字でした。採点基準が不明なのではっきりしたことは言えませんですが、学校側はやや幅広く正解としているのではと予想します。
問三については、受験生はかなり苦労したと推測します。正答率は、45%です。問一から問三と順に下がってはいますが、問三でも私の予想以上に高い数字だと感じました。
ここで、制限時間との兼ね合いが出てきます。おそらく、この問題をすぐに答えられた受験生は少ないだろうと思います。
この問三を飛ばして、大きな山場である段落整序問題に入ることができたかがポイントになるかと。最後に時間をかけて考えるべき問題で、ここに時間をかけすぎると、段落整序問題を解く時間がなくなってしまいます。ここにも最後の段落整序問題の正答率が低かった理由があるのではと勝手に解釈しています。
長くなってしまったので、次回に続きますが、西大和中学についての私見は次回で終わらすようにします。