お薦め読書の2024年2回目です。年末・年始のお時間がある時にでも、時間をとって読んでみてください。

  

 2回目は、椰月美智子さんです。この方の著書も、昔から中学入試素材文によく採用されています。今年刊行された新しいものから、過去に入試素材文としてよく使われていたものを紹介していきます。

  

 「みかんファミリー」   

  

 2024年8月6日刊行

  

 

  

 主人公の中学生美琴は、母と祖母と暮らす女三世代家族。突然母が中学時代の同級生、朱美さん一家(本人・娘・孫娘)と、購入改築した古民家で共同生活をすると言い出します。その朱美さんの孫娘が、美琴の苦手な同級生の野々花であることが話の設定です。

  

 話がすすむにつれて、美琴と野々花の距離感に変化がおどずれ、なぜ同居を始めたのかの理由も徐々に明らかにされ、「みかん」ファミリーのタイトル回収もあります。私は、お盆休みに一気に読みきりました。お薦めです。

  

 今年、全国どこかの中学入試素材文として採用されるかと思います。「家族」が主なテーマです。

   

  

  

 次は2023年に文庫本が刊行されて、多くの中学で入試素材文として採用されたものです。

   

  

 「昔おれと同い年だった田中さんと友情」   

 

 2019年8月 単行本刊行 

   

 

 

 2024年入試において、大阪星光学院、智辯学園奈良カレッジ、東海大付属仰星、岡山白陵などの中学入試素材文として採用されています。

  

 小6の拓人、忍、宇太佳の仲良し3人組が、神社の管理人である85歳の田中さんとの交流を通して、友情を育むお話です。友情はもちろん、「戦争」もこの物語文の大事なテーマです。

  

 2024年8月15日に、NHKでドラマ化されたものが放送されています。私は、結局このドラマを見ることができなかったのですが、再放送などがあれば是非見たいです。

  

 色々な意味で、小学生の「学び」になる物語文だと思います。

    

   

 次は、やや古いですが、多くの中学入試素材文として採用され、塾のテキストにも採用されているものです。椰月美智子さんと言えば、この2冊は外せません。

    

 「しずかな日々」  

 

 2010年6月15日刊行

   

 引っ込み思案な主人公「えだいち」がクラス替えで押野に出会い、母親のある事情で、祖父と共に過ごすことになった一夏を描いた物語。

   

 2020年 龍谷大平安、2017年 関大北陽、賢明女子など中学入試素材文として採用されています。

  

    

  

   

 「14歳の水平線」  

 

 2015年7月22日刊行

    

 父親の地元である沖縄の離島でキャンプツアーに参加した加奈太とその父征人、それぞれの14歳の青春ストーリーを描いた物語文です。

   

 2020年 賢明女子学院、2019年 京都学園、2017年 同志社女子、プール学院など中学入試素材文として採用されています。