各大手塾で夏期講習の予定が発表されはじめています。

 例年だと、この夏休み、夏期講習が小学6年生にとって最後の長期休みとなり、受験勉強で普段できないようなことができる貴重な期間となるはずでした。

 しかし、今年はその様相が一変しており、貴重な長期休みではなくなっています。

 これらのことは、以前LINEのタイムラインの方に書かせていただいていますが、すでに今年度受験の山場は終わっています。

 あの緊急事態宣言中などを含む学校休校の期間が、今年度受験の山場でした。

 あの期間を日々忙しく勉強したか、動画などを見てのんびりと過ごしていたかでそろそろ大きな差となって表れてくる頃です。

 各大手塾とも毎月実力テストを実施していますが、6,7,8月のテスト結果に2,3,4,5月の成果が出てくると思われます。例年の夏休みの成果が秋ごろに表れてくるのが、三か月ほど早まった感じでしょうか・・・(もちろん、個人差は多少あります。)

 さて、ここから本題ですが、この夏休み期間をどう過ごすかです。

 夏期講習の予定を見ていると、各塾で差がみられます。ポイントは、「宿題」です。

 小学校の夏休み期間短縮の影響を多大に受けながら、夏期講習での授業時間確保が各塾の大命題です。

 ただ、授業時間を追うばかりに、宿題をする時間があまり考慮されていない塾・クラスがあるようです。(小学校は休まない前提でお話をしています。)

 今までだと、夏休みの午前中が宿題をするゴールデンタイムです。授業を終了した夜にその授業の宿題を終わらすのが理想ですが、夏休み開始後時間が経つにつれ、その理想は崩壊します。お盆前頃には、なんとか午前中を使って宿題を回すのが関の山です。

 今年は、その貴重な午前中が小学校の授業のため、ほとんどありません。(ただ、ある国立大学附属小学校は、改修工事の関係で夏休みが3週間以上ありますね・・・)

 例年のカリキュラムをこなすため授業時間をつめこむばかりに、宿題をこなす時間を少なく見積もっているのは非常に危険です。7月21日から夏期講習を開始する塾が多いようですが、そこからほぼ毎日夕方以降授業を実施しているところがあります。

 一方、祝日などを除き一日おきに休みを入れ、宿題をする日程を入れている塾・クラスがあります。完全に今年仕様の夏期講習です。塾のカリキュラム、授業時間を入れたいのを我慢し、生徒のことを考え、必要最小限のカリキュラムでかかる日程を組んだのは評価されるかと。毎年の現状を考え、よく生徒の実情に目を配っています。

 授業日程が過密な塾・クラスでは、おそらく、8月第一週ぐらいで宿題が回らない生徒が例年以上に出てくると思います。

 指導経験の長い先生ならわかりますが、宿題の回らない生徒のモチベーションは悲惨です。深夜遅くまで宿題をこなすため、睡眠不足に陥り、肝心の授業中に集中できない。そのため、よけいわからない。授業中の小テストも得点できない。宿題は雪だるま式に増えていく。さらにモチベーションダウン。実力テスト結果にも、その影響が出てきて、いわゆる「つぶれる」ことがおきやすいです。

 ここでの自衛策は、宿題を各科目必要最小限に強制カットすることです。(宿題をこなすために、夏期講習期間小学校を休むという方がいるかもしれません。)

 例年、各塾とも夏休みとなると、宿題や課題を多めに出しがちです。それを例年通りに出す塾は今年少ないと思いますが、成績を上げたいと思うあまり、宿題を例年通り多く出しがちな先生がいるのも現実です。

 宿題が回らない兆候が子供に見られ始めたら、即、担当の先生やチューターに相談する。

 そこで聞くのは、宿題の優先順位です。「しなくていい宿題は何ですか?」は愚問です。先生方は全部必要だと思って、宿題を出しています。「この教科の宿題の優先順位を教えてください」がベストの質問方法かと。そして、下位の宿題をカットです。全科目、優先順位の高いものだけをする。

 宿題を全部できないのは、他の生徒と比べて差をつけられるので不安になると思います。もちろん、全部宿題をするのが理想です。

 現状、宿題が回っていないという前提でのお話なので、最悪の事態回避のための緊急手段です。

 一度この記事を読んでいただいた方は、8月の初旬にもう一度読み返してください。その際、小学校を休まず宿題もきちんと毎日こなして、塾の授業にも集中して充実している方は問題ありません。

 例年通りの日程ですら、宿題が回らない生徒が出てくることを肝に銘じてください。

 今年の夏休みは、時間管理が大命題です。例年より時間がないのが前提です。苦手分野を復習するのはまず難しいかと。

 塾のカリキュラム・先生を信じ、ただ宿題をきちんとこなす。

 そして、気づけばあっという間に入試です・・・