早朝、秋を感じることができる日が出てきました。日中の猛暑は相変わらずですが、少しずつ涼しくなっていき、入試本番の足音がかすかに聞こえてきます。
いよいよ受験の天王山である夏期が終了します。
世間では、夏休みの終わりを名残惜しく楽しむかのような雰囲気はありますが、中学受験生は来年までの我慢です。来年は、受験勉強から解放された夏が待っています。
受験生である6年生は8月末まであと10日ほどですが、苦手教科のうち1単元の復習はできるはずです。焦らず、塾の宿題以外の勉強にも自主的に取り組んでください。
5年生以下に向けて、夏休み前にでも、本の紹介をしようと思っていたのですが、少し遅くなったようです。
「ソノリティ」 佐藤いつ子著
読後の感想としては、合唱コンクールに向けて女子中学生が周りとの関係に悩みながら、成長していく姿を丁寧な心情描写により上手にえがかれており、中学校の先生が好みそうかなといったところです。
ただ、恋愛のスパイスを少しきかせているので、そこをどう扱うかですかね。女子目線の文章が多いので、男子小学生にはいい読書経験になるかと思います。
私なら、最後の第五章を素材文として、テスト作成します。各塾の模試素材文として採用されるかどうか楽しみです。
4人の登場人物それぞれの視点から章ごとに描かれているのは、森絵都「クラスメイツ」や瀬戸まいこ「あと少し、もう少し」を彷彿させます。これらは、やや古いですが、中学入試素材文の王道を行くものです。ぜひ、手に取って読んでみてください。
佐藤いつ子さんの著書として、「キャプテンマークと銭湯と」は中学入試の素材文としてよく出題されていました。読まれていない方は、こちらも読んでみてください。