以前より、教室生の保護者からどのような本を読んだらいいかという質問がありました。

  

 夏休みに入ったぐらいにでも書こうかと思っていたのですが…すみません。

  

 最近、私が読んだものも含めて、お薦めのものを作者別で数回に分けて紹介しておきます。

  

 「いつか、あの博物館で。アンドロイドと不気味の谷」  朝比奈あすか

  

 2024年7月7日刊行

   

   

 中学1年からの3年間の学校生活について、安藤悠真・長谷川湊・市川咲希・清水陽菜それぞれの視点から描かれる、短編集。

   

 「クラスメイツ」森絵都と形式が似ており、入試問題として作成しやすい本なので、おそらく今年の中学入試の素材文としてどこかの学校で採用されるかと。湊のドッジボール大会のあたりがテストとして作りやすそうです。そろそろ、どこかの塾さんの公開テストでも、採用されて出題されるかもしれません。

 

 それぞれの登場人物がもつ家庭事情をふまえて、心情表現が上手く描かれています。いずれの場面でも、入試素材文として採用されそうな本です。

  

 同じ作者が刊行している本で過去に中学入試で出題されたものとして、他に紹介しておくと、

    

 「君たちは今が世界(すべて)」 2019年6月28日刊行

   

      

 2020年開成中学の入試問題素材文として採用されました。私は、そのきっかけで読みはじめた本です。

 

 その後、関西だと、2024年甲南女子、2023年滝川第二、2022年金蘭千里・京都聖母、と毎年のように素材文として採用されています。

 

 この本は時間があれば、ぜひ読んでほしい一冊です。いじめ・学級崩壊など小学生の生きづらさのようなものが上手く描かれていています。

 

    

 「人間タワー」 2020年11月10日刊行  

    

   

  

 2022年京都女子などで出題されています。

    

 組体操のタワーをモチーフに、小学生、親、先生、近所に住む老人、卒業生からの視点や、それぞれの人生まで掘り下げた作品。 この本でも、人間の深い部分の心理描写が上手に描かれています。

  

  ついでにというか、

 

 「翼の翼」   2021年9月30日刊行

    

 リアルな中学受験を題材とした親子の話。こちらは生徒向けというより、保護者向けのフィクションです。