やや期間があいてしまいましたが、前回の続きです。
制限時間60分で、大問3題。単純計算すると、大問1題あたり20分。
例年、大問1題あたり小問数が約8~16ほどあるので、解答スピードが求められる入試問題と言えます。(2025年は素材文の文字数が多く、読むスピードも求められたのは前回指摘した通りです。)
今年は、大問一で中屋敷均著「わからない世界と向き合うために」という2025年度を代表する素材文を採用して、問題作成者がかなり力を入れて作った問題という印象を受けました。(他校の問題と比べ、問いそのものの文字数を見ても違いが分かります。)
問4、問5では、55字、35字の記述問題が出題されています。1問あたり例年よりやや多めの文字数です。
問7では、佐藤仁著『争わない社会「開かれた依存関係」をつくる』を資料として提示し、生徒3人の会話文形式で空欄補充を主体とした小問が出題されています。なかなかボリューム満点な小問です。
国語を苦手とする生徒は、大問一だけでかなり時間をとられたのではと推測できます。残り時間で、大問二、三と取り組むのは大変だったに違いありません。
これらも平均点が下がった要因といえます。
結果論ですが、大問三から取り組んでいれば、もしかしたら気持ちの面で少し落ち着いて問題を解けていたかもしれません。
そして、設問を知識問題(漢字・語句)・記号選択問題・抜き出し問題・記述問題の5分野へ強引に分類してみると、2025年度は抜き出し問題より記号選択問題が問題数として多いのが分かります。
2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
漢字 | 5 | 5 | 5 |
語句 | 5 | 2 | 4 |
記号選択 | 7 | 12 | 15 |
抜き出し | 20 | 17 | 12 |
記述 | 4 | 6 | 4 |
合計 | 41問 | 42問 | 40問 |
ただ、四天王寺中学は、HP上に配点付き解答を公開しています。そこに記載された、各小問の配点をもとに計算してみると、配点は例年通り抜き出し問題が高いことがわかります。
授業担当者は、どこに力を入れればいいのかが見えてくるかと思います。
2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
漢字 | 10 | 10 | 10 |
語句 | 10 | 4 | 10 |
記号選択 | 20 | 30 | 33 |
抜き出し | 59 | 47 | 45 |
記述 | 21 | 29 | 22 |
合計 | 120点 | 120点 | 120点 |
漢字・語句について、補足しておくと、
漢字の書き取りでは、「不意・上達・典型・先行・対照」と熟語のみの出題でした。2009年以来でしょうか。昨年度だと「導く・除く」といった訓読みの漢字が出題されています。
比較的、語句分野の出題が少ない中学なんですが、慣用句が2年連続で出題されています。
以上、独断と偏見による四天王寺中学の入試分析ですが、関西最難関中学にあたる他校についても書くようにします。