備忘録的に今年の入試について、独断と偏見でコメントしておきます。

  

年々難化していく印象がある西大和。特に、女子の難化が顕著です。

  

女子のみをみると、今年の倍率が5.86倍と、ほぼ6倍です。募集人数が少ないこともあり、かなりの狭き門です。

  

国語入試問題の難度として、その女子のみを見ると、

  

受験者平均点は、2016年 108,0 2017年 114,7 2018年 86,8

  

昨年度より27,9点も低くなり、かなり難化しています。

  

ちなみに、今年の男子受験者平均点は77.6点です。

  

今年の入試問題を見て、まず「おっ」と思ったのが、解答用紙です。

   

QRコードがあるではないですか。ついに、清風南海や大手塾で採用されているデジタル採点を導入ですかね。

  

国語の入試は1月13日16:00ごろ終了し、次の日14日10:00の合格発表まで採点を間に合わせる必要があります。もちろん、国語の採点を10:00までに終わらせればいいわけでなく、成績処理のため数時間前にデッドラインが設定されています。(数年前は午後に発表だったので、まだましだったかもしれません。)

  

そのため、国語教員は徹夜での採点を余儀なくされていると風のうわさで聞いたことがあります。

   

このデジタル採点で、成績処理業務の負担が格段に軽くなり、また採点も以前よりはしやすくなったのではないかと門外漢ながら想像できます。

   

まあ、今年は様子見でしょうが、来年あたり記述の一問を増やしても・・・と勝手に空想してしまいます。

  

問題としては、ほぼ形式は例年通りだったかと。

  

記述問題2題と漢字書き5題・四字熟語書き取り1題とぬき出し1題とあり、その他がすべて記号選択問題です。小問ごとに数えて24題ですか。記号選択問題の比重がかなり高い入試です。それも、ア~オの5択と正答率が低くなりやすい問題です。

   

その中でも最後の段落整序問題は、西大和独特の問題として有名です。

   

段落整序問題は、男女で共通問題となってから2題が定着しました。中学入学後推奨される、国際標準論理文章能力検定の影響でしょうか、この問題に対する力の入れ具合が年々強いような気がします。

  

西大和入試の対策でこの段落整序問題はかかせません。配点もおそらく、2題の記述問題に匹敵するほど高いかと推測できます。

  

指示語・接続後に着目し・・・とこの問題の解法は大体きまっています(大仰な名前はありません。)ので、各塾とも対策はある程度十分だったと思います。それでも、ここで大きく差はつきます。記号選択問題の妙で、一つ記号がずれると0点です。

  

(ⅰ)では「群れ」のキーワードに着目し、「ネコ、カメ、ゾウ」の具体例をどう抑えるかですね。(ⅱ)では、「トリックスター」のキーワードに着目し、「策略、自在、創造」などをどう考えるかです。

  

気になったものとして、大問一の問五で、意味を表示して四字熟語を自分で考え答えさせています。以前の問題なら、ここで選択肢問題にしていたと思います。この問五の「宣戦布告」の正答率は低いでしょうから、来年度どのようにして問うてくるのか気にはなります。

  

記述問題2問、論説文・随筆文とも比較的書きやすい印象を受けました。それぞれ指示語に着目して、直前をまとめます。

  

ここは、配点は高いですが、部分点を採用しているので差がつきにくかったのではと推察されます。

   

まあ、例年多い物語文でなく随筆文だったことが平均点を押し下げたのかなと。随筆文の問二・七の空欄補充問題はかなり受験生を悩ませたのではないでしょうか。