国語の過去問のやり方について、続きです。

 

 制限時間通りに問題を解き、答案を書き上げる。

 実は、過去問を解くにあたって、この後からが大きな差がつくところだと私は考えます。

  

 まず、お勧めできないのは解答を見て、記述問題などなんとなく答え合わせをし、赤本などにある予想配点に従って点数を出す。そして、学校が発表した平均点や合格者平均点を超えたかどうかだけに興味をもって、一喜一憂して終了。そして、次年度を取り組んでいく。

   

 あまりいらっしゃらないと思いますが、時間がなくなるとこうなってしまうかもしれません。

   

 予想配点に基づく得点はあくまでも目安にしてください。最難関校において小問ごとの配点は、基本的に学校側は公式に発表しません。(ちなみに、星光中の国語は2014年までの数年間、小問ごとの細かい配点を解答用紙に記載していました。最難関中学にしては、不思議です。)

   

 つまり、実際に学校が採点した正確な得点など出せないのです。

   

 もっといえば、記述問題の細かい採点基準も公にはなっていません。国語という教科が持つ、大いなる「グレーゾーン」です。もちろん、○か×かははっきりしています。ただ、△かなというところで、厳しい基準にすれば点数は下がりますし、緩い基準にすれば点数は上がります。

   

 実際に中学校がやっているかどうかは私にはわかりませんが、配点と採点基準を変えれば、平均点を調整できます。

   

 採点にあたって、記号問題や漢字・語句は問題ありません。抜き出し問題では多少悩むとしても、どなたがされてもほぼ同じです。

   

 問題は、採点基準がわかりにくい記述問題です。

   

 採点基準にばらつきがあったとしても、根本的に正解かどうかなどの採点はその道の専門家に任せたほうがいいです。

   

 つまり、実際に授業を担当されている国語の先生にお願いすべきです。この文章でのこの問題では、こういう問われ方をしているので、この要素とこの要素を解答に入れるべきなので・・・と専門家らしい採点をしてくれるはずです。力のある先生なら予想配点に基づく点数もだしてくれるでしょう。

   

 ただ、どの先生もお忙しいですから、なかなか個別には頼みにくいかもしれません。

   

 最良の解決策は、授業で解説してもらうことです。志望校別特訓で過去問を教材とする塾では、おそらく採点基準なども含めて授業担当者は指導しているはずです。

   

 さらに、学校の「くせ」をしっかりと研究している塾や講師なら、もっと詳しい解説をしてくれるはずです。

  

 ここを掘り下げて、点数の話をもう少し引っ張ってみます。

   

 国語には、科目の特性から最高点に満点はまずありえません。(ちなみに、昨年度の灘中国語の最高点は、200点満点中162点です。)

   

 なぜかはまたの機会に譲るとして、満点をとれないとしたら、試験からみえてくることがあります。それは、誤解を恐れずに言わせてもらうと得点できなくてもいい問題が存在するということです。

   

 正答率が明らかに低いと思われる問題や反対に高いと思われる問題をその解説授業で教えてくれたら、わかりやすい授業と言えるのではないでしょうか。

   

 そこで、生徒は正答率の高いと思われる問題で間違えていたら、どうすべきかを考えるのです。